「水はしっかり飲んでるのに、なぜか便秘が治らない…」
そう感じている人は、実は水分不足タイプの便秘かもしれません。
便は、食べ物のカスだけでできているわけではありません。
その約70〜80%は水分でできており、水分が足りなければ当然、便は硬く・出にくくなります。
しかも、水分を「摂っているつもり」でも、コーヒーやお茶などの利尿作用のある飲み物ばかりでは、体に必要な水分が保持されにくいのです。
この記事では、水分不足による便秘の仕組みから、改善のための正しい水分の摂り方、避けるべき飲み方、そして他に必要な腸活習慣まで、徹底的にわかりやすく解説します。
「水分を見直すだけで、便秘がここまで変わるのか」
そう実感できる内容になっているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
水分不足で便秘になる理由

便秘と水分不足の関係は意外と見落とされがちですが、便の性質そのものに直結する大事なポイントです。
まずは、なぜ水分不足が便秘を引き起こすのかを、仕組みから見ていきましょう。
便の主成分は水分。足りないと「硬くて出にくい便」に
便の約70〜80%は水分です。
この水分がしっかり含まれていれば、柔らかくスムーズな排便が可能になります。
しかし水分が不足していると、大腸が便からさらに水分を吸収しすぎてしまい、結果として「カチカチ便」「コロコロ便」などの便秘型便になってしまうのです。
「飲んでるつもり」でも、体内で水分が不足しているケースも
- コーヒーやお茶ばかり飲んでいる
- 食事量が少ない、朝食を抜く
- 夏や運動後に汗をかいても水分補給をしない
- アルコールをよく飲む
こうした習慣がある人は、水分を摂取しているように見えて、体内の水分が保たれていない可能性があります。
特にカフェインやアルコールは利尿作用が強く、飲んだ以上に水分が体外に出てしまうことも。
つまり、ただ「量を飲めばいい」わけではなく、体にとどまる水分をしっかり摂ることが重要なんです。
水分が足りていない人の特徴とは?

「水はちゃんと飲んでるつもりなのに…」
それでも便秘が治らない人には、共通する落とし穴があります。
ここでは、知らず知らずのうちに水分不足に陥っている人の特徴を紹介します。
① コーヒー・お茶ばかり飲んでいる
コーヒーや緑茶、紅茶などに含まれるカフェインには利尿作用があり、飲んだ以上に水分が排出されてしまうことがあります。
とくに常時これらをメインの水分源としている人は、体内の水分バランスが崩れやすくなります。
カフェイン入り飲料は1日2〜3杯までに抑え、水や白湯などを併用するのが理想です。
② 朝食を抜く・食事量が極端に少ない
実は、食べ物にも水分が含まれており、1日の水分摂取量の約20〜30%は食事由来です。
朝食を抜く/サラダなど水分の少ない食事ばかり/極端なダイエットで食事量を減らしている場合、
水分摂取量が知らず知らずのうちに減っている可能性があります。
③ 常に冷たい飲み物しか飲まない
冷たい水や氷入りの飲料を大量に飲むと、胃腸が冷えやすくなり、腸のぜん動運動が低下することがあります。
これは特に便秘傾向の人には悪影響になりやすいです。
常温水や白湯に切り替えることで、腸が本来の働きをしやすくなるといわれています。
④ 発汗量が多いのに水を補給していない
夏場や運動後など、汗をかいたときに水分補給が追いつかないと、体内の水分貯蔵量が一気に低下します。
このとき腸内も「水分節約モード」になり、便から必要以上に水分を吸収→硬便化することがあります。
喉の渇きを感じたときにはすでに軽度の脱水状態。こまめに飲む習慣が大切です。
便秘改善に必要な水分量と飲み方のコツ

水分不足が便秘の一因になることは明らかですが、「じゃあ、どれだけ・どうやって飲めばいいのか?」という点で迷う人も多いはず。
ここでは、便秘予防・改善を目的とした水分摂取の基本とコツを解説します。
1日あたりの目安は「体重×30mL」、最低でも1.5L
厚生労働省のガイドラインでは、成人が1日に必要とする水分量は約2.5Lとされています。
そのうち、食事などから摂れる分を差し引いても、飲料から1.2〜1.5L程度は摂る必要があるとされています。
より個別に考えるなら
体重(kg)×30mL=1日の水分目安(mL)
(例:体重50kg → 1500mL、60kg → 1800mL)
この量を一気にではなく、1日かけてこまめに分けて摂るのが基本です。
朝イチの水1杯が「腸のスイッチ」になる
朝起きた直後の空腹状態での水分補給は、寝ている間に失った水分の補給だけでなく、腸のぜん動運動を促進するスイッチとしても有効です。
冷たい水より、常温〜ぬるめの白湯(40℃前後)の方が腸にやさしく、内臓の動きもサポートされやすいといわれています。
「喉が渇いてから」では遅い。こまめな水分補給がカギ
喉が渇いたと感じる時点で、すでに軽度の脱水状態にある可能性が高いとされます。
便秘対策としては、
- 起床時
- 食事中・食後
- 間食・コーヒーブレイク時
- 入浴後・運動後
- 就寝前(少量)
といった「タイミングを決めてこまめに飲む」習慣が有効です。
便秘を悪化させるNGな飲み物

「水分を摂っているのに便秘が改善しない」
そんな人が陥りがちなのが、飲み物の質が悪いパターン。
便秘改善には「水分量」だけでなく、「何を飲んでいるか」がとても重要です。
ここでは、避けたいNG飲料とその理由を具体的に解説します。
① カフェインを多く含む飲み物(コーヒー・緑茶など)
カフェインには利尿作用があり、体内の水分を排出しやすくします。
これにより、体内の水分量が低下し、結果的に便の水分も奪われやすくなるため、便秘を悪化させる可能性があります。
特に1日に何杯もコーヒーやお茶を飲む人は注意が必要です。
目安として、カフェイン飲料は1日2~3杯までに抑え、それ以外は水や白湯に置き換えるのが理想です。
② アルコール類(ビール・ワイン・チューハイなど)
アルコールも強い利尿作用があり、体内の水分が一気に排出されやすくなります。
さらに、アルコール摂取後は睡眠の質が下がりやすく、自律神経の乱れから腸の動きが鈍るケースもあるため、便秘傾向の人には特に悪影響となりがちです。
飲酒のあとは必ず多めの水分補給を意識し、就寝前に白湯を1杯飲むなどの対策を。
③ 清涼飲料水・甘いジュース類
糖分の多い炭酸飲料や果糖ブドウ糖液糖を含む清涼飲料水は、腸内の悪玉菌のエサになりやすく、腸内環境を悪化させる原因となる可能性があります。
また、糖分の過剰摂取はインスリンの急上昇→血糖値スパイク→自律神経の乱れを招くこともあり、
腸のリズムが乱れて排便が不安定になることも。
水分補給の基本は、無糖・無添加の水、白湯、麦茶などがおすすめです。
水分だけでは解決しない?他に必要な腸活習慣

水分不足は便秘の大きな原因のひとつですが、水分をしっかり摂っていても、なかなか改善しない人もいます。
その場合は、腸そのものの働きが弱っている可能性があり、水分補給だけでなく他の腸活習慣をあわせて取り入れることが大切です。
① 食物繊維の摂取(特に「水溶性」)
便のかさを増やすことで知られる食物繊維には、「不溶性」と「水溶性」の2種類があります。
- 不溶性:ごぼう・玄米・大豆など/便のかさを増す
- 水溶性:海藻・オクラ・りんご・大麦など/便を柔らかくし、善玉菌のエサになる
便秘改善にはどちらも必要ですが、特に水溶性食物繊維は腸内環境のバランスを整える点で非常に有効です。
関連記事:【実は逆効果?】便秘が治らない人の「間違った食物繊維の取り方」
② 発酵食品や乳酸菌で腸内細菌バランスを整える
ヨーグルト・味噌・納豆・キムチなどの発酵食品に含まれるプロバイオティクス(善玉菌)は、
腸内の有害菌を抑え、排便リズムを安定化させる働きがあります。
さらに、バナナや玉ねぎ、オートミールなどに含まれるプレバイオティクス(善玉菌のエサ)もあわせて摂ると効果的です。
プロバイオティクス+プレバイオティクスの併用(シンバイオティクス)が理想です。
関連記事:腸活に向いている食べ物とは?効果別にわかる食材ガイド
③ 適度な運動と「腸マッサージ」
軽い有酸素運動やウォーキングは、腸のぜん動運動を活発にし、便の移動を促します。
また、「の」の字を描くような腹部のマッサージ(腸もみ)は、自律神経を整え、便意を感じやすくなるサポートになります。
- 特に朝起きたあと・入浴後など、リラックスしているときに行うのが効果的
- お腹が張っているときは無理をせず中止
運動とマッサージは、腸そのものの動かす力を回復させるためのアプローチです。
関連記事:腸のぜん動運動を促す運動法|腸活初心者でもできるやさしい習慣
まとめ|正しい水分補給は腸活の基本
「水は飲んでいるのに便秘が治らない」
その原因は、水分の量ではなく質と習慣にあるのかもしれません。
実際、水分が足りないと便が硬くなり、腸の動きも鈍くなって、コーヒーやお茶・食事抜き・冷たい飲み物など、日常の小さな選択が便秘を長引かせているケースも少なくありません。
本記事で紹介したように、
- 体に吸収されやすい水分を選ぶ
- こまめに飲む習慣をつける
- 朝イチや就寝前の一杯を意識する
- 食物繊維や乳酸菌、運動を組み合わせる
といった「体の内側から整える腸活習慣」を継続することで、出ない毎日が、自然に出る毎日へと変わっていきます。
便秘改善の鍵は、特別な薬や食材ではなく、毎日の水分と生活習慣の積み重ねにあります。
まずは今日から、コップ一杯の白湯からはじめてみましょう。