最近「なんとなくお腹が重い」「便秘気味かも」「肌の調子がイマイチ」──
そんな腸の不調、実は“食べすぎ”や“食べる時間の乱れ”が原因かもしれません。
そこで今、医師や健康マニアの間でも注目されているのが「16時間ファスティング」。
1日24時間のうち、16時間は食事を控えるというシンプルな方法ですが、これが腸活にとても効果的だと話題になっています。
とはいえ、
「ファスティングって断食とどう違うの?」
「何を飲んでOKなの?」
「いきなり始めて大丈夫?」
と疑問や不安もありますよね。
この記事では、16時間ファスティングの腸活への効果・正しいやり方・注意点まで、初めての方でも実践できるように解説していきます。
16時間ファスティングとは?|腸活に注目される理由

注目を集めている「16時間ファスティング」。
じつは、ただのダイエット法ではなく、腸内環境の改善=腸活にも効果的だと話題です。
ここでは以下の3つの観点から、その理由をわかりやすく解説していきます。
ファスティングと断食の違いとは?
「ファスティングって、断食と同じでしょ?」
と思われがちですが、実は似て非なるもの。
断食は、一定期間まったく食事を摂らないこと。
宗教的儀式や治療法として用いられることもあり、体への負担が大きく、自己流では危険を伴います。
一方の時間制限ファスティングは、1日のうち「食べない時間」と「食べる時間」を分けるだけのスタイル。
16時間ファスティングはこの代表例です。
項目 | 断食 | 16時間ファスティング |
---|---|---|
食事の制限 | 完全に絶食 | 時間を区切って食事 |
実践期間 | 数日〜数週間 | 日常的に続けられる |
継続しやすさ | 低い | 高い |
体への負担 | 大きい | 小さい |
ファスティングは腸に休息を与えることを目的としたやさしい腸活法なのです。
なぜ16時間なのか?科学的根拠を解説
「どうして16時間なの?ちょうどいいだけ?」
実はそこには体の仕組みに合った科学的な理由があります。
注目すべきは、オートファジーという細胞の自己浄化作用。
この仕組みは空腹状態が12時間以上続いた頃から働き始め、16時間前後で活性化のピークに達すると言われています(※2016年ノーベル医学賞・大隅良典博士の研究で話題)。
このオートファジーにより、
- 腸内細胞の修復
- 免疫の向上
- 老廃物の排出
- 炎症の抑制
といった体のリセットが促され、腸活にも大きな効果があるとされています。
つまり、16時間という時間設定は科学的に見ても最も効率よく腸にアプローチできるラインなんです。
腸内環境との関係|空腹時間が腸を整える仕組み
腸は、食べ物を消化・吸収する臓器ですが、同時に掃除と修復の時間も必要です。
しかし現代人は、1日3食に加えて間食や夜食も当たり前。腸は休む暇がありません。
16時間ファスティングを行うと、
- 腸が空っぽになり、消化器官が休まる
- 腸内フローラ(腸内細菌のバランス)が整いやすくなる
- 腸のぜん動運動(動き)が活性化する
などの変化が起こり、腸本来の働きを取り戻すリセット状態になります。
さらに、腸と脳は「腸脳相関」といって密接につながっており、腸が整うと、ストレス軽減・睡眠の質改善・集中力アップなど、心身の調子も整ってくるんです。
腸活に効く!16時間ファスティングの正しいやり方

「やってみたいけど、どう始めたらいいのかわからない」
そんな人のために、ここでは失敗しにくい実践法を紹介します。
特に腸活目的なら、やり方を間違えると効果が半減するどころか、逆効果になることもあるので注意が必要です。
スケジュールの組み方(16:8法)
16時間ファスティングの基本は、「16時間食べずに、残りの8時間で食事をとる」という時間制限食のスタイルです。
これを「16:8(シックスティーン・エイト)法」と呼びます。
もっとも実践しやすいのがこちらのパターン
- 食事の時間帯:12時〜20時
- ファスティングの時間帯:20時〜翌12時
この方法なら、朝食を抜くだけで自然に16時間の空腹が作れるため、仕事や家事がある人でも無理なく続けやすいです。
もちろん生活スタイルに合わせて、「朝7時〜15時の食事」などに変えてもOK。
大切なのは、自分が続けやすい時間帯に設定することです。
ファスティング中にOKな飲み物/NGなもの
16時間の空腹時間中でも、水分補給は必須です。
ただし、何でも飲んでいいわけではありません。
飲み物 | 可否 | 理由 |
---|---|---|
水 | ◎ | 腸に負担をかけず、代謝促進 |
白湯 | ◎ | 冷え対策にも効果的 |
お茶(無糖) | ◎ | 緑茶・麦茶・ルイボスティーなど |
ブラックコーヒー | ◯ | 少量ならOK。ただし空腹で胃が荒れる人は注意 |
炭酸水(無糖) | ◯ | 満腹感を得られるが、胃腸が弱い人は様子見で |
ジュース/スポドリ/ミルク入り飲料 | ✕ | 血糖値が上がり、ファスティングが中断される |
ゼロカロリー飲料(人工甘味料入り) | △ | 腸内環境を乱す恐れがあり、腸活目的なら避けたい |
腸活が目的なら、「無添加・無糖」の水分でシンプルにいくのがベストです。
食事のとり方(最初に何を食べる?何を避ける?)
ファスティング後の食事は、腸が空っぽの状態で迎える最初の刺激。
だからこそ、何を食べるかがめちゃくちゃ重要です。
✅最初に食べるのにおすすめ
- おかゆ、具なし味噌汁、スープ
- ヨーグルトやぬか漬けなどの発酵食品
- 野菜の煮物・おひたし
- 酵素ドリンクや生搾りの野菜ジュース(無添加)
→ 「やさしく」「消化のいい」ものを選ぶのが基本!
❌避けたいもの
- 揚げ物、ラーメン、焼肉
- 菓子パン・スナック菓子
- 糖質の高いスイーツや清涼飲料水
空腹の状態でこうした重たい食事をとると、腸に大きな負担をかけてしまい、逆効果になります。
初心者が失敗しがちな落とし穴
16時間ファスティングはシンプルですが、よくある落とし穴も。
❌朝食を抜いたことで反動食いしてしまう
→ 食事の「質」と「量」を意識しないと、ファスティングがただの不規則な食事習慣になってしまいます。
❌ゼロカロリー飲料で空腹をごまかす
→ 人工甘味料は腸内環境を乱すリスクあり。腸活目的なら避けるのが正解。
❌寝る直前に食事してしまう
→ せっかくのファスティング効果が薄れる。遅くとも寝る2時間前までに食べ終えるのが理想。
16時間ファスティングの腸活効果とは?

「なんとなく始めたけど、本当に腸に効いてるの?」
そんな疑問を持つ人に向けて、ここでは実際に期待できる腸活効果を紹介します。
体感しやすい順に見ていきましょう。
腸内フローラの改善
腸の中には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌など、数百〜数千種類の細菌が共存しています。
これらのバランスが保たれている状態が、いわゆる「腸内フローラが整っている」状態です。
しかし、過食・添加物の摂取・不規則な食事が続くと、腸内に悪玉菌が増えやすくなり、便秘や肌荒れ、免疫力低下などの不調を引き起こします。
16時間ファスティングは、腸に休息時間を与えることで、善玉菌が優位な環境を作りやすくなります。
この作用により、腸内フローラが自然と整いやすくなるのです。す。
便秘・ガス溜まりの改善
腸内に食べ物が滞留している時間が長いと、便秘やガスが発生しやすくなります。
16時間ファスティングには、こうした問題を軽減する効果もあります。
期待される改善効果
- 食べすぎを防ぐことで腸内の“詰まり”を減らせる
- 空腹時間中に腸がしっかり動く(ぜん動運動の活性化)
- ガスの発生源である未消化物が減る
- 「出し切れない感覚」が解消しやすくなる
「毎朝トイレがスッキリしない…」という人にとって、かなり実感しやすい変化になることが多いです。
疲れ・だるさの軽減やメンタルへの影響
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、全身のコンディションやメンタルにまで影響します。
特に腸内環境が乱れていると、慢性的な疲労感や情緒不安定の原因にも。
腸内改善の影響 | 実感できる効果 |
---|---|
炎症が抑えられる | 慢性疲労やだるさの軽減 |
睡眠ホルモンの材料が整う | 寝つき・眠りの質が良くなる |
セロトニン分泌が活性化 | 気分の安定・ストレス軽減 |
自律神経が整う | 集中力ややる気の向上 |
「体が重い」「朝がつらい」「やる気が出ない」
そんな状態が続いている人ほど、腸から整えることでメンタルの底上げが期待できます。
実践する前に知っておきたい注意点

「とりあえず始めてみよう」と思う前に、必ず知っておいてほしいことがあります。
体質や生活習慣によっては、逆に不調を招くケースもあるため、無理せず安全に取り組むための事前知識を押さえておきましょう。
体質によって合わないケースとは?
16時間ファスティングは誰でもできるわけではありません。
とくに極端にエネルギー不足になりやすい人や、低血糖症の傾向がある人は注意が必要です。
また、体重が標準以下の人、月経が不安定な女性、極度の冷え性の人などは、空腹時間がストレスやホルモンバランスの乱れにつながることもあります。
このような体質傾向がある場合は、「まずは12時間から試してみる」「週1回だけ実践する」といった段階的な導入が安全です。
持病や薬のある人は要注意
健康法とはいえ、体に負担をかけるタイミングもあります。
とくに以下のような持病や服薬中の方は、医師への相談が前提です。
状態・症状 | リスク |
---|---|
糖尿病 | 低血糖やインスリン管理の乱れ |
高血圧 | 薬の服用タイミングと食事がずれる危険 |
消化器系の疾患 | 空腹時間が症状を悪化させる可能性 |
妊娠中・授乳中 | 栄養不足が母体や赤ちゃんに悪影響 |
「健康になるために始めたのに、体調を崩した…」では本末転倒。
自身の体調や通院歴を踏まえて慎重に判断しましょう。
体重ばかりを目的にしないことの重要性
ファスティング=ダイエットというイメージが強いかもしれませんが、腸活目的の場合は体重より中身の変化に注目することが大切です。
こんな目的にシフトしよう
- 食べすぎのリセット
- 腸の炎症を鎮める
- メンタルや睡眠の安定
- 毎朝スッキリ起きられる体づくり
体重の増減だけに一喜一憂してしまうと、無理な断食やリバウンドの原因になります。
整う感覚を大事にする方が、長期的に続けられる健康習慣になります。
腸内リセットを成功させるためのコツ

16時間ファスティングを始めても、「思ったより効果がない…」「続けられない…」という人は少なくありません。
その原因は、やり方が合っていない or 無理をしていることが多いです。
ここでは、腸活目的で取り入れるときに効果を感じやすくなるコツを紹介します。
日常にムリなく組み込む工夫がポイントです。
いきなり毎日やらない!週1〜2回の導入法
最初から毎日16時間ファスティングをやろうとすると、体にもメンタルにも負担が大きくなりがち。
腸活のためには、まず週1〜2回から始めるのが正解です。
導入のポイント
- 最初は「昼食〜翌朝まで」を空けるなんちゃって断食でもOK
- 週1回でも、継続することで腸は整いやすくなる
- 「毎日完璧」より「ゆるくても継続」が効果的
- 空腹を感じる時間を体に慣れさせることが大事
はじめは「朝ごはん抜くだけ」でも十分。
まずは習慣にすることを優先しましょう。
発酵食品や酵素ドリンクとの併用
16時間ファスティングを腸活強化モードにするなら、食べる時間帯の質を高めることがとても重要です。
とくにおすすめなのが、腸に直接アプローチできる発酵食品や酵素ドリンクの活用。
ヨーグルト、味噌汁、ぬか漬け、納豆などの発酵食品は、善玉菌のサポートに役立ちます。
また、酵素ドリンクは固形物を摂らずに体に必要な酵素・ミネラルを補給できるため、
・朝食代わりに飲む
・断食明けの“最初の一杯”に使う
などの形で活用すると、腸にやさしくスイッチを入れられるのでおすすめです。
まとめ|16時間ファスティングは腸活の強力な味方
16時間ファスティングは、ただ食事を抜くだけのダイエット法ではありません。
腸をしっかり休ませ、自浄作用や善玉菌の働きを高めることで、腸内環境を整える回復の時間をつくる方法です。
特に現代人は、朝・昼・晩だけでなく間食や夜食も当たり前。
腸がフル稼働し続け、疲弊している人が多いのが現実です。
そんな中で、空腹の時間を意識的につくることは、腸本来の働きを取り戻すためのシンプルで有効な手段です。
とはいえ、「毎日きっちりやらなければ意味がない」ということはありません。
まずは週に1〜2回から、朝ごはんを抜くことに慣れるだけでも効果は十分。
食べる時間には発酵食品や腸にやさしい食材を取り入れ、水分をしっかり摂る──その積み重ねが腸をゆっくり整えてくれます。
完璧を目指すより、ちょっと試してみるくらいの気持ちで、まずは3日間、やってみてください。
きっと体も心も、軽くなる感覚に気づけるはずです。